ネットの記事やSNSのコメントに
「HSPの診断を見ると、誰でも当てはまりそうなものだけど、どう違うのか分からない」
という非HSPの方がいました。
「HSPを主張したり宣言したりして、人に配慮してもらったりするのが嫌や」
みたいコメントをしている人もいました。
それを見たときに私が思ったのは、「HSPが配慮することがあっても、配慮されることを望む人はいないんじゃないかな」と思いました。
HSPと名付けた心理学者のエレイン・N・アーロン教授も、周囲に先にそういう気質があるということを伝えておくほうが、誤解や迷惑をかけないようにするための予防線みたいなことを書いていたので、自分を守るためであったり、人に迷惑をかけてしまうことへの申し訳ない気持ちから先に伝えている可能性もあります。
HSPがいる背景には非HSPがいる
非HSPの方が、共感力が低く繊細じゃないのではなく、HSPは生きにくいと感じるまでの共感力や繊細な気質をもっていることがあるという話で、それも個人差がすごくあります。
「空気を読めない人は、仕事が出来ない」こういうのと同じで、何でも人によりで、個人差あるんですね。背景には、家庭環境が大きく影響しているのではないか?というのが私の想像です。
我が家において、同じ環境で、同じように育てられ、同じ食事でも、私と兄では全くといっていいほど、違いました。我が家の非HSPとHSPの割合は半々、私からみて非HSP組は常に自分優先で、気を遣ってもらっていることに何も気づかないくらい鈍感、観察力、共感力が低い、空気が読めない、人の話をあまり聞いていない、私が鮮明に覚えている過去の出来ごとも何も覚えていないという具合でした。明らかに彼らは非HSPで、私と同じHSPの気質をもつ母と彼らには差がありました。
我が家の非HSP組は非情だったので、手伝ってもらうのが当然であっても、HSP組が困っていても手伝ってくれるようなことは一切ありませんでした。一生懸命、家族のためにあれこれしていても、「手伝ってほしい、助けてほしい」という言葉は、迷惑がられ、露骨に嫌な顔をするので、迷惑をかけないよう、非HSPの顔色を見ながら生活していました。
HSPの特徴や特性にフォーカスされがちですが、我が家において、HSP側からみた非HSPは、自分優先で周りが一切何も見えていない、配慮しなければならない人たちでした。言い方を変えると、鈍感力を兼ね備えた自分軸が強い(自己中心的な)人たちということです。
比較対象が周りにいない方は、分かりにくいかもしれませんが、HS気質を持っている側からすると、明らかにそこには違いがありました。
私は家族でも助けてくれない、気遣いは難しいことを、身をもって知っているので、誰かに助けを求めたり、人に迷惑をかけたり、手間をとらせたり、時間を割いてもらうことに極度に抵抗があります。少しでもそういう状況になると、相手に嫌われることが心配というよりも、相手が不機嫌になり、嫌な雰囲気になると、居心地が悪くなるので、家族の非HSPに接するような感じで気を遣います。よどむ空気を察知する空気清浄機のように感知する、人のためというよりも自分がいる場所を快適に心地よくいられるためにしているので、自分のために気を遣っているという感じです。
それが大人数になればなるほど、入ってくる情報量も多くなるので、刺激が強く、疲れるので、飲み会や大勢の集まりが苦手で、そういう集まりには行きたくないし、行くような状況は作らないようにしていました。
人と一緒にいると、必要以上に気張る、頑張る方向が間違っていても、終われば、自分の部屋(安全地帯)にいられるので、それまでは仕方ないと思うけれど、帰宅して、部屋にこもっても、人と会ったあとは、こういう発言は相手にとって不愉快だったかな?場を盛り上げるために言ったことは間違っていなかったかな?自分の発言や行動を思い返して一人反省会をしたり、言われた一言にイライラしたり、モヤモヤして、考えすぎて寝られなくなります。
HSPはよく寝ていない?眠気も疲れもとれない睡眠事情
私は物心ついたことから、あまりよく寝られていませんでした。いつも体調不良でぐったり、横になっていることは多いのに、自分のベッドで寝ていても、寝付けない、何度も起きる、寝ていても夢を沢山みて、寝ているのか起きているのか分からない、寝ても疲れるという状態でした。
8時間寝ても、授業中にウトウト、学校でも家でも勉強が出来ないので、学生時代の成績は悲惨でした(笑)あまりにもだるいので、10~12時間くらい寝ていたこともありますが、長く寝るから疲れが取れるということもなく、変らずぐったりでした。
普段からそういう状態なのに、お泊り会、遠足、旅行は最悪で、行っている間、一睡もできないまたは1~2時間しか寝られない状態で、歩いたり、登ったり、観光したりするので、修行のような感じで、楽しめませんでした。
体調は最悪でも、不機嫌さ前面にだして気を遣わせる非HSPを見て育った私は、自分がそれをされたら嫌やなので、本当は辛くて泣きたくても、気持ちとは裏腹に笑顔で頑張ろうとしました。
やっていることがあべこべなので、しばらくすると、電池が切れたかのように急に動けなくなり、逃げ出さざるを得ない状態になります。急にそういう状態になるので、迷惑をかけてしまったことにまた反省し、自己嫌悪に陥ります。
寝ても疲れがとれない、常に気持ちがモヤモヤ、覚えたいことは全く覚えられないのに、覚えてなくてもいいような10代以下のことでも、忘れられず頭にこびりついていて昨日のことように思い出す、私の頭の中どうなっているの?もう嫌や、すごいことを目指しているわけでもないのに、普通に毎日暮らすだけでもしんどい、生きにくいと感じる、日々もがき続けてきたような気がします。
生きにくいと感じる気持ちも個人差はありますが、非HSPから見える世界と、HSPが見える世界はちょっと違うかもしれないという話と、HSPがいる背景には、非HSPがいるという話でした。